ちくでんち 蓄電池
従来、太陽光発電などで発電された電力のうち、需要を上回る分は使いきれず地落(無駄)していました。蓄電池を活用することで、余剰電力を貯め、必要なときに使用できるようになり、より安定した電力供給が可能になります。特に太陽光発電と蓄電池の組み合わせは、再エネの有効活用と災害対策において重要な役割を果たします。
太陽光発電と蓄電池の組み合わせのメリット
- 夜間や停電時にも電力を利用可能:日中に発電した電力を蓄電池に貯めておくことで、夜間や曇りの日、停電時にも使用可能
- 電気料金の削減:電力会社からの購入量を抑えられ、特に電気料金の高い時間帯に蓄電池の電力を使うことで大幅な節約に
- 売電による収入:余剰電力を蓄電し、需要に応じて電力会社に売電することも可能
- 停電時の安心感:災害時のバックアップ電源として利用できるため、家庭や事業の継続性を支援
蓄電池の種類(太陽光発電用)
- 鉛蓄電池:低価格で実績も豊富だが、寿命が短くメンテナンスが必要
- リチウムイオン電池:長寿命で軽量・高出力。現在の主流
- NAS電池:大容量で安定性が高いが、価格が高くスペースを取る
- フロー電池:高い安全性と長寿命が特徴だが、コストと設置スペースが課題
蓄電池の選び方
- 容量:使用したい電力量に合った容量を選定
- 出力:必要な電力を安定して供給できる出力性能
- 寿命:長寿命かつメンテナンス負担が少ないものを選ぶ
- 価格:性能とのバランスを見ながら予算に合うものを選ぶ
- 設置場所:屋内外のスペースや気候条件に合わせた製品を選択
設置費用の目安
蓄電池の設置費用は、容量や種類によって異なりますが、おおよそ1kWhあたり10〜20万円程度が相場とされています。
補助金制度
国や地方自治体によって、蓄電池の設置に対する補助金制度が用意されている場合があります。
制度の内容や金額は地域や時期により異なるため、事前の確認が重要です。
設置事例
- 家庭用:夜間や停電時にも電力を利用でき、光熱費を削減
- 事業用:ピークカットやBCP(事業継続計画)対策に有効
- 地域エネルギーシステム:複数の家庭・事業所で太陽光+蓄電池を共有し、地域全体の自給率向上に貢献
将来展望
蓄電池の技術革新により、高性能かつ低価格な製品の登場が期待されています。
今後は、蓄電池が再エネの主力電源化を支えるインフラとして、エネルギーシステム全体の進化を後押しする存在になると見込まれています。
FIP制度との関連性
蓄電池は、発電量の変動が大きい再生可能エネルギーを安定化させる鍵となる存在です。FIP制度では、電力を市場で売買する仕組みが採用されており、安定供給のために蓄電池が活用されることで、制度の信頼性と普及に貢献すると期待されています。