でんりょくがいしゃしゅつりょくせいぎょ 電力会社出力制御
電力会社による出力制御とは、電力供給と需要のバランスを維持するために、発電所の出力を調整するプロセスです。対象は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーに限らず、火力発電などの他の発電設備も含まれます。
電力網に過剰な電力が流れ込むと、電圧の異常や設備の故障といったリスクが生じるため、適切な出力制御が不可欠です。
接続方式ごとの制御方式
ファーム型接続
あらかじめ送電容量が確保されている接続方式です。発電量が保証される一方で、制御が必要な場合は以下の2通りの方法があります。
オフライン制御(旧ルール)
- 前日に電力会社から電話やメールで制御依頼
- 担当者が現地でPCS(パワーコンディショナ)を手動停止
- 曜日を問わず制御がかかるため、人手と手間がかかる方式
オンライン制御(新ルール)
- 電力会社サーバーから出力制御スケジュールを取得
- 制御スケジュールは30分単位で1日48コマ
- スケジュールには「固定スケジュール」と「更新スケジュール」の2種類があり、更新スケジュールが優先されます
- 発電設備は自動的にスケジュールに従って出力を調整
ノンファーム型接続
送電線の実際の空き容量に応じて接続を許可する柔軟な方式です。
オンライン制御のみが採用され、スケジュール取得や制御の仕組みはファーム型と同様です。
現場での対応事例:FL×DataCube4
太陽光以外の再エネ(風力・水力・バイオマス・バイオガス)は、出力が安定しないため、数時間先のスケジュールを事前に渡すことが必要になるケースもあります。
FLによる対応の流れ
電力会社 → 電力サーバー →(インターネット)→ 認証制御機器 →(Modbus/TCP)→ 客先制御装置
- DataCube4がスケジュールを取得
- 客先の制御装置に合わせた形式に変換し、伝送
- 発電設備の特性に応じて、制御値の調整や先出し対応が可能