ふぃーどいん・ぷれみあむ(ふぃっぷ) フィードイン・プレミアム(FIP)
FIP制度(Feed-in Premium)は、再生可能エネルギーによる電力を市場で販売し、その市場価格に対して一定の「プレミアム(上乗せ額)」を支払う仕組みです。FIT制度のような固定価格での買取ではなく、市場の需給状況に応じた価格変動を前提とするため、発電事業者の自律的な販売努力が求められます。
目的
- 再生可能エネルギー発電の導入促進
- 電力供給の安定化
- 環境負荷の低減
対象となる発電方法
- 太陽光発電
- 風力発電
- 水力発電
- バイオマス発電
- 地熱発電
メリット
- 再生可能エネルギー発電事業者の収益性向上
- 再生可能エネルギー発電の導入促進
- 環境負荷の低減
デメリット
- 電力料金の上昇
- 電力会社への負担増加
制度の現状と今後
日本では、再生可能エネルギーの普及を目的として、2012年にまず固定価格買取制度(FIT)が導入されました。これにより、すべての再エネ電源が固定価格での売電を可能とし、大きな普及が進みました。
しかし、電力料金の上昇や市場との乖離といった課題を背景に、2019年以降は段階的にFIT制度が縮小され、新たに「FIP制度(Feed-in Premium)が導入され始めました。FIPは市場価格と連動した売電方式であり、発電事業者の自立的な経営を促す制度として位置づけられています。現在は、特に大規模事業者を中心にFIP制度の適用が拡大しています。
FIT制度とFIP制度の比較
FIT制度(固定価格買取制度) | FIP制度(市場連動型補助) | |
---|---|---|
買取価格 | 国が定めた固定価格 | 電力会社が自由に設定 |
期間 | 一定期間 | 一定期間 |
目的 | 再エネ導入初期の普及促進 | 市場原理の導入、自立的な再エネ促進 |
リスク | 発電事業者の価格変動リスクなし | 発電事業者の価格変動リスクあり |
FIP制度は、再生可能エネルギー発電の普及促進に大きく貢献してきましたが、電力料金の上昇や電力会社への負担増加などの課題も抱えています。今後は、FIP制度のあり方を検討し、再生可能エネルギー発電の普及と電力料金の安定化の両立を目指していく必要があります。